仕事術

決算書が読めるってどういうこっちゃ!?

25歳の時に京都市にある「新経営サービス」という会社の商品である「経営者大学」という研修に1年間通ってました。(当時は行かされた?的な感じでした)

毎月1泊2日で初日は13時スタート。夜は宿題があり、その後徳育の話し合いがあって遅くまで勉強。朝は6時から散歩に出て瞑想して17時までという講義を全12講座受けました。

経営者とは?から始まり最後は中期経営計画を立てるのですが、途中の講義でマーケティングや人事考課、財務諸表の見方など経営で必要な知識や考え方を学ばせて頂きました。この12講座で100万円でした。(高いか安いかはその人次第かな)

さて、タイトルの「決算書読める」ということですが、そもそもどこまで理解出来たらOKなんや?という話だと思います。私はこの研修である程度、学ばせて頂きましたが、キャッシュフローや〇〇率といった言葉の説明は100%できません。

例えば自己資本比率が50%だったとします。その50%が良いのか悪いのか。それを知ってどう活かすのかが明確でない限り決算書はただ数字になってしまいます。私は経営を任せてもらうようになった時、まず粗利%か、経常利益がいくらでたのか。ここから始まりました。

利益が出たらからよかった。利益があまりでなければ良くなかった。「だから?」になってします。

経営者の価値観で決算書の数字は変わる

経営者には2パターンの方がいらっしゃると思っています。1つは法人税を出来るだけ払いたくない人。経常利益が出れば出るほど税金を払わなければいけないので、必要でない物を購入したり、飲み代は全て経費で払ったり、所得税を払ってでも役員報酬を高く取りギリギリのラインで決算を迎える。

もう一つのパターンは、法人税をきっちり払い、内部留保をしっかり蓄える。適正な経常利益額や率を定め、利益が出た場合は税引後利益の使用方法も決めている経営者です。ただ、内部留保を増やせば良いという事ではなく、利益の使用方法が決まっているかどうかが大切だと思っています。あまりにも内部留保が多いと、事業承継時に株の価値が高くなるめ、贈与税や相続税のリスクという面でデメリットが生じてきます。事業承継せず、バイアウトすると考えている方は株の価値が非常に高くなるため、高く売れるメリットもあります。

どちらが良くて、どちらかが悪いという事はありませんが、私は後者の経営を目指しています。

私の決算書の見るポイントは経常利益から見始めて、下から上に見ていくようにしています。私は売上額に対して経常利益率を5%に設定しています。それが達成できたか、出来ていないか。達成できた場合は、なぜできたか。出来なかった場合も同じく検証に入ります。(この経常利益率は業種によってマチマチです。)

営業外収益と支出もみますが、ここはあまりあてにしません。営業利益がいくらか。人件費率はいくらか。販売管理費のどこが例年と比べて多いのか、少ないのか。全ての数字を見た時に根拠を持って説明できる自分がいるか。

その次に、粗利は自社が設定している粗利率で終えているか。ここより高い場合、低い場合も説明できるか。高い場合は利益率が高い商品が売れているか、値引きを抑えられたか、在庫商品が売れたか。低い場合は、値引きが多すぎたか、利益率の低い商品ばかりが売れたのか。ここを検証します。

この工程を毎月、月次決算書を見ながら検証します。毎月、税理士の先生と一緒に検証するのであまりに変な数字になったとしても原因をつきとめるまでやりますので結果的に自分の知らない数字や訳の分からない数字にはなりません。(ここを曖昧にするともっと数字に差異が出た時検証が難しくなります)

決算書が読めるということは、用語の説明ができることではありません。

社長や会社で決めている各設定項目より高いか低いかを確認する。人によっては会社の通知表という方がいますが、評価するのは自分の決めた数字が達成できているか、計画通りに行ったか。自分で採点することだと思います。

財務が苦手な人が多い印象を持っていますが、私はそんなに難しくないと感じています。言葉がややこしいので最初はアレルギーがあるかもですが家計簿と同じです。給与を貰った後、社会保険料を引かれたものが手取りの給与です。そこから家賃、光熱費、携帯代、保険、ガソリン、ネットフリックス(笑)、子供の給食費、塾代、食費、飲み代、などの支出を全部引いて、手取り額から差し引いた金額が月次の利益です。それを12カ月繰り返して1年間でいくら貯金できたか。

この貯金額が多いからOK!少ないからNG!ではないと思います。その家庭がどのような人生を歩みたいのか。子供にどのような教育をさせたいのかによってお金の使い方は違ってきます。

但し、収入に対してあまりに大きな支出を毎月繰り返し、自分たちの衣食住もままならないのであれば、不幸な人生になってしまいます。

経営者は無駄な支出を抑える事も大事ですが、貯めた利益をどのように活用し、またどのように事業を拡大するか。拡大が私利私欲のためにではなく社会に必要とされ、原理原則に沿っている事業計画か否かがとても大切だと私は考えます。

TKCとか弥生会計の顧客データ平均値とかが出ているのでその数字を目標にして高いか低いかを自社の決算書と比べると目指すものが出てくるので数字が面白くなりますし、数字が決められない方は参考にされたと思います。

目指すものが明確であればあるほど達成の可能性が高くなり、曖昧であればあるほど結果も曖昧になる。

最近はまってる言葉です。

偉そうに書きましたが、コロナで厳しい部署もあるので挑戦しまくって何とか実績上げていきます!

ABOUT ME
遠山雅治
兵庫県丹波篠山市に生まれる。1983年生まれ。 高校卒業後、1浪するも希望大学に受からず単身中国へ。 深圳大学で1年間語学留学後、現地の台湾企業で働き、その後日本企業のユニデン購買部で勤務する。3年間の中国生活を終え、アメリカに4か月留学。 その後、父の経営する会社に入社し冠婚葬祭業を1から学ぶ。 葬祭ディレクター1級を取得。日本贈答文化協会認定、贈答アドバイザー取得。現在、父の会社を引き継ぎ代表取締役として経営に携わっています。 キクヤ株式会社 代表取締役 (一社)丹波篠山青年会議所第51代理事長 丹波篠山国際理解センター理事