「施餓鬼供養って何?「初盆なんやけど何したらいいの?」
私の仕事は冠婚葬祭でも葬儀や仏事の売上比率が高いのでどうしても仏事に関して知識が必要となります。
そこで、今回は施餓鬼供養について解説したいと思います。
施餓鬼(せがき)とは、法会(ほうえ)の一つで、文字通り、餓鬼に施しを行うことを意味します。
法会とは、寺院に僧侶や信者が集まり、お勤めをする会式(えしき)いわゆる儀式のことです。
そして、餓鬼(がき)とは、生前に悪行を行い地獄に落ちた魂や生前食べ物を粗末にしたり、俗世で供養してもらえなかったりして無縁仏となってしまった霊が、地獄に落ちて鬼となってしまったもののことです。
餓鬼の世界のことは「餓鬼道(がきどう)」と言い、六道の一つとなります。
餓鬼は地獄で、常に飲食をすることができないため、飢えと渇きにもがき苦しんでいるため、食物や飲み物をお供え物として捧げ、法要を執り行います。
と、いう感じで固くなってしまうのですが「結局、何をしたらいいのか?」という問いですが実はちゃんとご葬儀を執り行った方はこの施餓鬼供養をしなくてもいいんですよね。
上でも書きましたが、本来は供養してもらえなかった人ってほとんどいないんですよね。
最近は家族葬が増えてしまい、当社としても寂しさはありますが、親族がしっかりとご葬儀をされております。
中には直葬といって、お寺を呼ばずに直接火葬場に行かれる方もありますがそれでも親族が立ち会っておられることがほとんどなので無縁仏まではいかないと思っています。
戦国時代など、多くの野武士がいたるところで殺されていた時代に全く知らない多くの死体が無縁仏になって、自分たちの地域に祟りを起こすことを嫌い、檀家の住職がそういった霊をまとめて供養したという話を聞いたことがあります。
その時に死産してしまった赤ちゃんの霊も一緒に供養するため「水子供養」と言われる供養もあることが多いです。
とても素晴らしい事ではありましたが、本来の意味からいくと必要なくなってしまったのですが住職の中では大イベントとなりました。近年では1年間亡くなれた方を対象に案内ハガキを郵送される住職が多いと思います。
初盆のお経はお寺に行って多くの住職からお経を頂き、焼香します。滞在時間は20分ぐらいでしょうか。
「施餓鬼供養料や初盆:お布施」と表書きをすることが多いです。「水子供養料」として別にお布施を準備する地域もあります。
初盆を迎える当家様は初盆飾りが必要になります。仏壇とは別に普段使っているテーブルや、お葬式の時に使った後飾り祭壇にゴザを敷いてキュウリやナスに割りばしを刺して、「馬」と「牛」の形を作ります。
馬に乗って少しでも早く帰ってきてほしい。帰る時は牛に乗って出来るだけ遅く行って欲しいという願いからこのようなお供えをする地域が多いです。
今宗派や地域によって全く違うと思いますので今回は関西バージョンということで紹介しましたが地域によって本当にマチマチです。特に浄土真宗は他の宗派と違うので初盆の概念が無い所もあります。
これからお盆がやってきますが、初盆を迎える当家様は住職やお寺総代に聞く事をお勧めします。
もし、聞きにくいようでしたらご葬儀を上げた葬儀会社に問合せされると一般的なことはお伝えしてもらえると思います。