コロナウイルスによって生活様式が一変してもう1年半ほど経過します。特に飲食店や劇場など密になる場所は顕著に影響が出ています。
実は、葬儀会館もそのカテゴリーに入り、ほとんどが家族葬で少人数でのご葬儀が極端に増えました。
我々は丹波篠山市という田舎ですが兵庫県の中部から北部は感染者が比較的少ないため阪神間に親戚がいる方は参列に対しても結構抵抗があります。
こんな背景によって参列者はおろか、親族であっても集まる方が少なくなり、家族葬でも規模が小さくなります。
そんな中でも一定数「一般葬」をやりたいと言われる方もいらっしゃいます。「一般葬」とは業界の言葉ですが、ご近所や友人、会社関係の方など一般参列者にも告知してお別れをしてあげたいという葬儀の事です。
この丹波地域に限らずコロナ前から家族葬がとても多くなり、当社の施行比率でも70%~80%は家族葬でした。今は95%家族葬ですが、、、
さて上述した、コロナ禍でも参列したいという方のニーズに応えるため、当社では「お別れ葬~縁(えにし)~」というプランを作りました。
コロナ禍でも5%の方はこのお別れ葬~縁~を選択されています。この葬儀は一般の方でも、お別れができ、尚且つご葬儀は家族で行うというプランで密を避け、コロナ対策も出来るプランです。
では「お別れ葬~縁~」とはどんな内容か箇条書きで解説させて頂きます。
◆訃報のお知らせに告別式の時間を記載しますが、その時間とは別に「お悔み対応時間 〇時~〇時」と記載す ることで参列者にお別れ時間を知らせます。
◆お悔み対応は約1時間~2時間の時間を設定するので、その時間内ならいつ行っても喪主さんに挨拶ができます。当然故人様も。※デメリットは喪主さんはずっと入り口付近にいないといけないので疲れます。
◆参列者が分散するので密になりならない。その上で挨拶、受付、焼香、御拝顔が可能になる。また、参列者の滞在時間は5分~10分と非常に短い。
◆喪主、親族はバラバラに参列があるため、一人一人とゆっくり会話が出来る。※デメリットはやはり、拘束時間と体力。食事の時間は交代して別の親族がお悔み対応してもらうことになります。
◆告別式が始まる30分前にはお悔み対応時間は終了するため、一般の方が着座されお経を一緒にきくことはありません。親族のみで葬儀を行うので密になりません。
◆「お別れ葬~縁~」の式場は、一般葬を執り行う会場で実施するため広く使えます。親族が30名、40名と多くてもソーシャルディスタンスで葬儀が行えます。
◆親族が多くて食事をとる会食室が密になってしまという場合は「折代り」として引出物をご準備されるケースもあります。
全国の葬儀社は様々なコロナ対策を考えておられると思います。出張葬儀やドライブスルー葬儀、インターネットを活用したweb葬儀など。
当社も模索した中で、全ての方にご満足して頂ける事はないかと考えぬいた末、この「お別れ葬~縁~」に行きつきました。
自分が遺族だったら。もし、自分が故人の立場だったら。自分が参列する立場だったなら。
大切な人との最後のお別れに立ち会えない寂しさ。父との最後のお別れをさせてあげたい。やはりお世話になった方に来て欲しいという故人の想い。
こういった想いは絶対あると思ってます。
しかし、家族葬を選択される方で多い理由は、息子さんが父との関係性が分からず、挨拶や返礼が手間なので参列を拒まれるということです。
喪主の気持ちとして分からないでもないです、、、亡くなられる方がこういったことを遺言とされている方もいらっしゃいます。
個人の意思は自由です。そして葬儀は多様化しています。昔は住職主導でしたが今はご当家の希望がほとんど叶います。
葬儀そのものが無くなる可能性も感じているので人との繋がり、そして葬儀本来の意味を伝えていく必要があると感じてます。